「母乳で育てたい」と思っていた私。
でも、生まれたばかりの赤ちゃんに黄疸が出たことで、その道のりは予想以上に大変なものになりました。

1人目はそれでも母乳育児を頑張りましたが、かなりハードモード。
2人目はその経験から早々にあきらめ、生後2週間ごろから完ミに切り替えました。
母乳をあげたい気持ちはめちゃくちゃわかる。
でも、2人育ててみて、黄疸っ子には体力的にも精神的にもミルクが合ってるなと感じます。
今回は、新生児黄疸でも完全母乳育児(完母)を目指したぼっちゃんと、黄疸が出て潔くミルクに切り替えたひめちゃんの体験談をご紹介します。
新生児黄疸とは?
生まれたての赤ちゃんの体の中では、おなかの中にいたときに使っていた血液の成分がいらなくなり分解されます。
このときビリルビンという物質ができ、黄疸の原因となります。
程度の差はあれ、黄疸は誰にでも起こるもので、出産後2〜4日ごろから肌が黄色くなり生後1〜2週間ほどで自然に落ち着くのが一般的です。
でも、黄疸が強いとビリルビンが脳に蓄積され、赤ちゃんに障害を残す心配が出てきます。
それを防ぐために黄疸の赤ちゃんには、光線療法(青いライトを当ててビリルビンを分解する治療)を行うことがあります。
我が家の場合、ぼっちゃん、ひめちゃんとも入院中から光線治療となり、生後2週間ごろまで入退院を繰り返していました。
母乳育児を目指している人にとって新生児黄疸が厄介なのは次の2点です。
- ミルクより母乳の方が黄疸が長引く
- 赤ちゃんの体重が増えにくくなる
それぞれ詳しく説明していきます。
母乳と新生児黄疸の関係|なぜ母乳だと黄疸が長引くのか
母乳には黄疸の原因となっているビリルビンの排出を抑制する成分が入っています。
そのため母乳をあげていると黄疸が長引くことが知られており、ミルクをたくさん飲ませるほど黄疸が早く収まります。
医師や助産師によって考え方は様々ですが、黄疸を早く落ち着かせるために多めにミルクを足すように指導されることがあります。
しかし、母乳は吸わせることで出るようになるもの。
生まれてすぐの時期からミルクを多く足すと、母乳の分泌量が減ってしまうことがあり、完母を目指すママには悩ましい問題です。
新生児黄疸の赤ちゃんは体重が増えにくい理由
黄疸の症状が出ている赤ちゃんは哺乳力が弱く疲れやすいため、授乳中十分に飲む前に疲れて寝てしまい、体重が増えにくくなることがあります。
母乳育児では吸うのに力が必要なことや、授乳中にお母さんとぴったり密着して安心感が得られることで、特に眠りやすく体重増加がより緩やかになっていまいます。
ミルクは母乳よりもラクに短時間で飲めるため、寝てしまう前に必要量を飲ませやすく、比較的体重も増えやすいです。
そのため黄疸の数値としては母乳で大丈夫と言われても、体重増加不良でミルクを足すように指導されてしまうこともあるのです。
完母を目指していたけど…ミルク補足が必要に
我が家の場合、ぼっちゃん、ひめちゃんとも母乳に制限はありませんでしたが、しっかりミルクを足すようにと指導されました。

でも、それじゃあ母乳が出なくなる。
母乳を出したいので頻回授乳にすると、黄疸の数値が下がらない。
しかも、授乳中寝てしまうので赤ちゃんの体重が増えなくなる。
それだと診察で「数値も下がってない、体重も増えてない」でミルクを足すように指導される。
まるで母乳が悪いみたいで、めちゃくちゃ責められてる気分になる。
ストレスでますます母乳が出なくなる…のループでした。
いったい何度泣いたことかわかりません。
生後2週間ごろには黄疸の通院は終わりましたが、1か月検診ではまだ肌が黄色っぽく体重も増えていないため「ミルクを足してください」と言われます。
徐々に母乳は出るようになりましたが、スタートが遅れたため体重は少なめ。
2か月ごろの保健師訪問では同様に「ミルクを足してください」と言われました。
医療関係者はビリルビン値や体重の数値で判断するため、ママの気持ちや母乳の出を第一に考えてくれる人は少ないと思っておいた方がいいでしょう。
完母になったのはいつ?
第一子ぼっちゃんの時はそれでもめげずに母乳をあげ続けました。
最初は言われた通りミルクを足しつつ、自己流で徐々に減らしていきました。
すると4~5か月ごろにはミルクを全く足さなくても、授乳間隔が開くようになってきました。
ですが、5か月から離乳食が始まり、6か月からは保育園入園に向けて再びミルクへ移行することになりました。
結局、完母で育てたのは1か月にも満たない短い期間…あんなに頑張ったのにと思うとやるせない気持ちになりました。
潔くミルク育児にするのもあり
ひめちゃんの時は、第二子ということもあって入院中から1回の授乳で60 gくらい母乳が出ていました。
誰もが「完母でいけるよ」と言ってくれたので、今回こそ大丈夫かなと思っていました。
ですが、退院直前にまた黄疸が出て授乳中眠りがちに…母乳は出るのに飲んでもらえない状況が続きました。
すると、生後10日ごろの診察で「3日前から体重が増えてないですね、ミルクを足してください」。
2週間検診で「体重の増えが良くなってきていますね。この調子で日割の体重増加を正常に近づけるためにミルクを足しましょう」と言われることになりました。

冷静に考えたらわかることです。
3日で体重が増えてないって言っても、もう100mLくらい飲む時期なんです。
体重測定が授乳直後かオムツ替え直後かで、3日分の体重増加なんてひっくり返ります。
日割の体重増加を正常に近づけるって、通常よりも1.5倍、2倍の増加が必要になるわけで…その理想の日割の数値に意味ありますか?
2週間の時点から正常だったらそれでいいのでは?
ぼっちゃんの時と同じように、しばらく混合を続けてミルクを減らし完母にする道もあったと思います。
でも、ぼっちゃんの時の経験から、繰り返し指導されると全てを否定されているようでとにかくストレスになることはわかっています。
ミルク、ミルク言われ続けて疲れるくらいなら、いっそミルクにしてしまおう。
その日から徐々にミルクを足し、ひめちゃんは生後1か月ごろから完全ミルク育児(完ミ)です。
完ミでストレスゼロに
ミルクに切り替えた結果、それまで感じていたストレスはすべてなくなりました。
ミルクの缶に書いてある量をあげていたら、黄疸も1か月もたたないうちに収まり、体重も順調に増え、責められるような気分になることもありません。
腹持ちが良く、赤ちゃんが長く眠るようになるため、1か月もたたないうちに夜間授乳は1回だけ。
ママもよく眠れます。

もやもや悩んでストレスになるくらいなら、早めにミルクにするのは全然あり。
黄疸×完母は正直難しい!完母にこだわらなくて大丈夫
黄疸のためとわかっていても、ミルクを足していると母乳で育てたかった気持ちとのギャップで落ち込むこともあるかもしれません。
でも、母乳かミルクかなんて数年したら話題にも上りません。
いい歳した大人が「私は母乳で育ったので小さいころから優秀で…」なんて言ってるのを聞いたことがありませんよね。
たしかに生まれた直後は母乳の方が免疫が…とか脳の発達が…とか言われることもあるでしょう。
でも、もう少し長い目で見てみましょう。
あとで振り返った時、ママも赤ちゃんもストレスなく幸せに過ごせた思い出がある方がいいと思いませんか?
母乳にこだわってストレスを感じるくらいなら、潔くミルクに切り替えるというのも立派な選択肢です。

我が家はミルクに救われました!
同じように悩んでいる方の心が少しでも軽くなりますように。

